2010年10月30日

宙のボールを落とす行為




スティールボールランを読んでいる。20巻まで読んだ。



漫画が好きだ。
なのに、読む前の漫画と読んだあとの漫画とでは、読みたいと思わせる磁力がてんで違う。



スティールボールランの作中で、宙に浮いたボールをどちらに落とすか、という問い掛けがあった。

暫定的に決まりつつある状況下で、二者択一でどちらかを選ぶとしたら。
たとえば、陣痛を伴って病院に運び込まれた妊婦がいた。
どちらも助かる可能性はほぼないという悲惨極まりない容体。
ならば、子を助けるか。
それとも、また子供を産める可能性に期待し母を助けるか。
医師は選ばねばならない。



私なら母を助けるだろう。
子供1人、父親1人で残されて、母が死んだという重圧を2人で、背負えるだろうか?2人して羽虫の如く潰れるだろう。



さて、これが父親、母親、子供と三択の場合はどうだろうか。
父親を助けるだろう。
男は体力もあり、女に比べて労働力としての対価もある。
1人残されても、気力と根性で乗り切って新しい家庭を築くだろう。




宙に浮いたボール、この命題を、人の命とすれば答えは明白だ。
明白ではないと言う人が大多数だろうが、私には明白だ。


しかし、これが漫画となると、私は途端に初めて巣を飛び立つ燕のように、逡巡する。


昨日のことだ。
引っ越しをするし、漫画は捨てようと思った。


無為な日常や、発展性のない冒険話満載の、銀魂。
人が羨望するものを全部持っているのに、人とうまく向き合えないOLすみれちゃんのラブストーリー、君はペット。
やたらイケメンなのに残念な有様の青年を描いた、関根くんの恋。
陰惨な絵の中でやたらニカイドウの肌が白くて柔らかな感じがするのは、その色の対比のせいなのか、ドロヘドロ。
小野不由美さんの超大作が漫画になった、屍鬼。
ちょうど死のうと思ってた時期に見つけた、自殺島。



引っ越しを目前に控えて読み終わった漫画を一掃しようと、一冊一冊を手に取って、一冊一冊そのまま本棚に戻した。


何かを捨てて進む、人生には選択しないといけないことが多々ある。



宙に浮いたボールをはたいて落とすようにいずれかを選ぶとしたら。

ギャグ漫画も、シリアスな漫画も、愚直な暴力系漫画も、どれを選ぶことを出来ない。
そんなことはけして出来ない。



破綻しているかもしれない。
けれど、これが私の見い出した、私らしさなのだ。



私は、結局一冊も売りませんでした。

posted by nainai at 21:21| 奈良 ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | ないない論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わーい。
生き残った〜!
Posted by マンガ家 at 2010年11月03日 15:42
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