2013年06月17日

断ち切れないものについて




海賊と呼ばれた男を読破したら、次はこれを読むといいよと、会社の人が指差したのはこれだった。


人間仮免中


私の性格を知ってるだろうか?
いや、私の性格を知っている人なら、ピンとくるはずだ。


これは、わたしに対してフックが向いていない作品だ。



帯には感動したとか、生きてるだけで人生は素晴らしいみたいなことを書いてあった。

こういうの、大っ嫌い。





さて、勧められたからには読むとしよう。



話はこんなのだった。
女は35歳、還暦を迎えた男に惚れて同棲を始めた。
女は統合失調症で、男はひどい癇癪持ちで三度も離婚している。
さらに女は風俗やAV出演の経歴があって、その筋ではかなりの有名人らしい。



それでも2人は互いに深く愛し合っていて、些細な嫉妬心で大げんかをしては、お互いを傷つけあっていた。


激情というものを私は抑えることが賢明な人の在り方だと思ってきた。


この人たちはただ激情の中に生きている。
と、思うと、羨ましいような気がしてきた。




この女性、よっぽど有名人らしく、気になって検索したら、綺麗な人だった。
あらびっくり。




ほんとに些細な嫉妬心で喧嘩して、そのままほつれてしまった心を持て余したまま、この人は歩道橋の上に立ち、彼女はえいやと飛び降りた。

信じられない展開だった。
飛び降り要素が私には分からないのだから…
きちんと話し合えば、解決するし、そもそもきっかけも喧嘩になりえるようなものには一切思えなかったのに。



一命を取り留めたものの、彼女は入院中もひどい妄想にとりつかれて、傍目には手に負えない状態だった。


しかし、そんな彼女を支える家族や恋人や友人たちは、彼女を見捨てたり、距離をあけたりもせず、ただ、彼女が投身してそれでも命が助かって良かった、生きていてくれてありがとうというのだ。



何故、こんなに人は人を断ち切れないんだろうか。

もっと断ち切れたら、楽なのに。


断ち切れないものがある。
昔、好きだった人がいる。
私は適切な判断を下せずに、おろおろしていることが多く、劣等感と二人三脚してた。
その人は私の思いも寄らない考えをもって生きていて、発言一つ一つの勢いがすごかった。
すぱっとなんでも決める行動力のある人だった。
今まで、誰と付き合っても、私は、その好きだっただけの人と比べて、及第点に及ばない彼氏と別れてきた。



それすら本当は気付いてなかった。


多分、こうやって、ひどく突出した子供染みた理想点と現実に付き合う人とを比べている私は、結婚が出来ないなと、つくづく思うのだ。



でもこれを断ち切ると、私は拠り所がちっともどこにもないので、ひどく高邁な理想を手放さないだろう。
posted by nainai at 00:23| 奈良 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書感想文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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